本日の見通し(為替) 債務上限協議、米大統領は共和党の提案を拒否
2013年10月11日 08:04
NYタイムは円売りが優勢となった。米下院共和党が無条件で債務上限を6週間(来月22日まで)引き上げる妥協案を検討しており、米政府報道官はこの案であれば大統領は署名すると発表している。東京・ロンドンタイムから続く米財政協議に関する楽観論がさらに高まった格好。米株価指数も大幅高となった。ただ、民主党指導部のリード米上院院内総務は「2014年末までの債務上限引き上げ案を推進する」と述べており、目先は引き上げ期間をめぐって妥協点を探っていくようだ。ドル円は98.28円、ユーロ円は132.95円まで上昇し、それぞれ先月からの下降トレンドラインを上抜いた。ポンド円は157.01円、加ドル円は94.57円、豪ドル円は93.03円、NZドル円は81.52円まで一段高となっている。
昨日は米連邦債務上限問題をめぐる与野党の協議進展への期待が広がったことを背景に、ドル円は98円前半まで上昇した。ただし、本日の東京タイム早朝では米大統領が共和党の短期的に債務引き上げる妥協案を拒否したとの報道を受けて一時98円大台を割り込むなど、やや上値も重くなっている。与野党の協議は今夜も継続するもようで、協議進展への期待感は残されており、ドル円は上げ一服も下値は限られそうだ。また、ダウ平均が今年最大の上げ幅を記録するなど欧米株が大幅上昇したことを受けて、日経平均の堅調地合いが予想され、株高がドル円の下支えになりそうだ。先週から米政府機関の一部閉鎖や米政府債務引き上げ問題への懸念で下落したドル円だが、200日移動平均線を支えに反発し、先週からの下げ分をほぼ取り戻している。ただし、98円前半にはテクニカル的に注目指標が多く位置しており、98円半ばの水準をこなせるかが目先のポイントになりそうだ。