本日の見通し(為替) 不透明感継続、米政府機関は閉鎖か

2013年10月01日 08:12

 30日の為替市場では、円買いが先行したものの、ドル円やクロス円は下げ幅を消してNYクローズを迎えた。米予算協議が引き続き難航し、米政府機関の閉鎖が現実味を増したことで週明けの為替市場では、ドル円やクロス円が急落して始まった。ドル円は97.50円、ユーロ円は131.39円まで下落した。イタリアのベルルスコーニ元首相が率いる中道右派政党・自由国民党(PDL)の連立政権離脱表明を材料にユーロにも売りが先行し、ユーロドルは1.3467ドルの安値をつけた。ただ、月末・四半期末という時期的な要因もあってロンドンフィックスでは円が売られた。ユーロについてもPDLの穏健派議員らが、ベルルスコーニ元首相の連立内閣崩壊を阻止するため新党結成の構えを見せたことで、ユーロに買い戻しが入った。
 本日の東京タイムではリスク回避方向の動きを見込む。昨日の海外市場でドル円やクロス円は反発し、ユーロに買い戻しが入ったとはいえ、不透明要因は何一つ解消されていない。米政府機関の閉鎖について、オバマ米大統領は航空管制・軍隊・看守といった機能に関しては優先的に存続させるとする方針を示しており、予算が成立しないまま米国は新年度入りを迎える可能性が濃厚だ。日本時間の午前も米下院・上院で審議は続けられるが、医療保険改革法(オバマケア)をめぐって妥協点は一向に見えてきていない。不安要素は素直に円買いにつながるだろう。  本日は各国経済指標の発表が多いほか、豪準備銀行(RBA)理事会が政策金利・声明を発表する予定だが、中心的なテーマは米政府機関の閉鎖リスクであり、流れを変えそうな発表予定はない。ただ、本日は中国・香港市場ともに国慶節で休場となるため、値幅取りの短期筋は普段と比較して限られるか。10月入りしたことで月末・四半期末のよどんだムードは払拭されるとしても、意外に静かな展開となる可能性もありそうだ。