本日の見通し(為替) リスク回避へ、米予算問題や伊政情不安で
2013年09月30日 08:07
27日の為替市場では、欧州通貨に対してドルが売られたうえ、対主要通貨で円が買われた。米国が新年度入りする10月を目前に控えて、予算案の成立見通しが立っていないことからドルが売られた。米医療保険制度改革に関連する支出の計上をめぐって予算が固まらず、米政府機関が閉鎖される可能性が現実味を増してきており、リスク回避の円買いも入った。ドル円は98.09円、ユーロ円は132.64円まで軟化。ユーロドルは1.3565ドルまでドル安となった。追加緩和の必要性は認められないとカーニーBOE総裁が発言したため、ポンドドルは1.61ドル前半まで上げた。
週明けの為替市場では円買いが先行。米政府機関の閉鎖が時間と伴に迫っており、ドル円は97.53円、ユーロ円は131.39円まで下げている。また、イタリアのベルルスコーニ元首相が自身の議員資格はく奪を阻止するため連立内閣の倒閣に動いており、全5閣僚が辞任表明する事態となっていることもユーロ売りの背景。ユーロドルは1.3467ドルまで下げている。
東京タイムでドル円は軟調に推移しそうだ。米政府機関が機能不全となる可能性が強く、今週末の米雇用統計の発表も危ぶまれる状況下ではリスク回避色が濃厚だろう。難航している米予算協議は「財政の崖」問題と同様のチキンレースとなっており、民主・共和両党ともデッドラインをたやすく通過してしまいそうな情勢だ。最終的には壊滅的な事態には至らず緊急回避となるのだろうが、ドル円は9月18日安値97.76円を一時下抜けており、ドル売りと円買いの両輪から下方向への勢いを強めるのではないか。伊政情不安を受けたユーロ売りに傾いていることも、ユーロ円経由で円高の流れを後押ししそうだ。