本日の見通し(為替) ドル円下げ渋るも上値は重いか、米財政懸念継続

2013年10月10日 08:18

 NYタイムでは、9月17-18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録を受けて、ドルが買われる場面があった。FOMC議事録では「大半が年内の量的緩和縮小開始と来年半ばの停止を想定」とされたことで、東京タイムから上昇していたドル円が97.65円まで上値を伸ばし、欧州通貨安から沈んでいたユーロドルは1.3486ドルまで一段安となった。弱い英鉱工業生産を受けて調整売りが進んでいたポンドドルも1.5916ドルまで下げ幅を拡大している。ただ、議事録内容にサプライズは乏しく、米政府機関が一部閉鎖しているなかで、大半の米経済指標の発表が先送りされている現状からすれば、議事録で示された年内に縮小を開始すべきとの主張も勢いを失っていると想定され、ドル買いは続かず失速している。議事録で米金融当局者が懸念した政局リスクも具現化しており、量的緩和縮小見通しは参考にならなかった。
 東京タイムでのドル円は97円台での小動きとなるか。イエレン氏の次期米連邦準備理事会(FRB)議長指名やダウ平均の3日ぶりの反発を受けてやや底堅い動きになりそうだが、米財政問題の不透明感が続くなかで、上値の重い地合いは変わりそうもない。関係筋からは「米下院共和党指導部は短期の債務上限引き上げを検討」との発言が聞かれたものの、米予算案策定・債務上限引き上げ問題は進展のないまま、週も後半に突入している。ドル円は日経平均の動向を眺めながら上下動するも、動意は限られるだろう。本日の東京タイムでは豪9月雇用データの発表が予定されている。10月1日の豪準備銀行(RBA)理事会では政策金利を2.50%で据え置いたが、企業や家計の景況感改善を指摘し、景況判断は若干上方修正された。これを受けて豪利下げ観測が後退したが、本日の雇用統計の内容は利下げ観測の後退を後押しできる内容になるか注目したい。