本日の見通し(為替) シリア情勢の緊迫化による円買い圧力継続
昨日のNY市場では円買いが一段と強まった。シリア情勢の緊迫化による地政学的リスクを背景とした米株の大幅下落を受けて、ドル円は96.99円まで下落した。また、ユーロ円は129.84円、ポンド円は150.70円、加ドル円は92.38円、豪ドル円は86.93円、NZドル円は75.43円まで下げ幅を拡大し、円が全面高となった。この日に発表された米経済指標はおおむね強かったものの、相場の流れに与えた影響は限定的で、シリア情勢の対応次第では米国に対するテロ攻撃のリスクも増すため、ドル売りがやや優勢となり、ユーロドルは1.3399ドルまで反発して、ポンドドルは1.5482ドルの安値から1.55ドル半ばまで下げ幅を縮小した。
本日の東京タイムでもシリア情勢の緊迫化による円買い圧力が継続することで、ドル円は下値模索の展開が予想される。昨日のドル円は、約1週間ぶりに97円台を割り込んだ。米政府はシリアのアサド政権が化学兵器を使用したとほぼ断定し、欧米諸国による軍事介への警戒感が強まっている。米軍がシリアへ、早ければ29日(米国時間)にミサイル攻撃を行う可能性があるとの報道も出ている。また、シリア政府を支援するロシアやイランとの衝突も懸念される。東京タイムでは経済指標の発表予定もなく、日経平均を始め、アジア株の動向を眺めながらの動きとなりそうだ。昨日の欧米株・大証日経平均先物の大幅下落を受けて、日経平均株価も軟調地合いが予想され、昨日に続きリスク回避の円買いが優勢になりそうだ。また、米長期債利回りが連日の下落基調となっており、ドル円の上値を圧迫する材料になりそうだ。