本日の見通し(為替) イベント前で様子見、ポジション調整主体の展開
2013年10月22日 08:17
NYタイム序盤はドル買いの流れを引き継ぐも値幅が限定的にとどまると、その後はもみ合い相場が続いた。先週に米政府債務上限引き上げ法案が可決し、ひとまず米デフォルトが回避されたことや、米長期債利回りの上昇にも後押しされてドルは買い戻しが先行した。ただし、市場の関心が米政府機関閉鎖に伴い約2週間半遅れの22日に発表される米9月雇用統計に集中しており、様子見ムードも強く、値幅は限られた。また、今月末に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和(QE)縮小は見送られるとの見方が多いことも、ドルの買い戻しを小幅調整の範囲にとどめた。NYタイムで発表された米9月中古住宅販売件数は529万件となり、市場予想の530万件をわずかに下回ったが、手がかりとはならなかった。
東京タイムはイベント前で様子見ムードが続くか。政府閉鎖の解除にともなって徐々にではあるが延期されていた米経済指標の発表予定が開示されてきている。そうしたなかで先陣を切るように本日は9月雇用統計が発表される予定となっており、政府閉鎖の影響が示される11月8日発表の10月雇用統計に注目する向きはあるものの、かといって軽視されるような状況でもない。市場が新たな材料を模索するなかにおいて相応の注目を集めそうなことから、逆に経済指標や要人発言なども予定されていない東京タイムはイベント前の様子見ムードから小動きを継続させそうで、動意づいても基本的にはポジション調整主体の方向感に欠ける展開を見込んでおきたい。なお、米9月雇用統計に関しては複数の市場関係者から予想を上回った際の反応に警戒しているとの声があがっているが、それについては年内の量的緩和(QE)縮小の見方が後退していることが背景にあるという。