本日の予想(株式) 米雇用統計や五輪決定前に手控え 投機的資金による上げ下げ寄与度高まる公算も

2013年09月06日 08:22

 東京市場は続伸が見込まれる。海外株式市場の落ち着きや円安進行を受けて、輸出株に対し一段と買い意欲が出てきそうだ。投資信託(三井住友アセットマネジメントが5日設定した「日本再興戦略株式ファンド」)による残り資金(市場観測350億円程度)が入るとされていることも心理的には安心感につながる。今晩の米8月雇用統計の発表や2020年オリンピック開催地決定を前に手控えを決め込む向きが増えそうだが、アジア市場や為替市場の動きに敏感な投機的資金が指数の上げ下げに影響をおよぼす公算が大きい。

 日経平均株価の予想レンジは14065円-14215円。5日線(13811円)の強い上昇を背景に上値を伸ばす場面も想定されるが、25日線(13746円)の下げに影響され、上昇の持続力は限定的か。そういった中でも日足均衡表の抵抗帯(雲)や5/23高値と7/19高値を通る上値抵抗線を明確に上回れるかが注目される。ここの節目をクリアできると、7/19高値14953円などが視野に入ってくる。ただし、遅行線の好転維持にはハードルが高くなり注意が必要のほか、目先的には9/10にかけて先行スパンが急変することや、9/10を分岐点として抵抗帯上限は切り下がる局面に入る。  
 週足では13週線(13844円)が今週から上昇に転じており、株価はそれに準じて切り返せるかの正念場である。週足均衡表では転換線(14070円)付近まで上昇。転換線が下げに転じやすい9月第3週あたりからの急落リスクはまだ残っている。

 5日のNY株式市場でダウ平均は前日比6.61ドル高の14937.48ドルで終了した。米新規失業保険申請件数や8月米ISM非製造業景況指数など予想より良好な経済指標に対する反応は限定的となった。量的緩和の縮小を決定するうえで重要な判断材料となる8月雇用統計の発表を翌日に控え、ポジション調整の売りに押され上昇幅を縮小した。
 NASDAQは前日比9.74ポイント高、S&P500は2.00ポイント高で終了。円建てのCME225先物は昨日の大証日中終値と比べ100円高の14100円、ドル建ては110円高の14110円で終えた。