ロンドン市場 午前 米景気刺激策の継続期待でドル全面安
2013年10月17日 20:27
ロンドン午前の為替市場はドル安に振れた。米財政協議が合意に至り、米国のテールリスクは大きく後退したが、足元の米政府機関閉鎖の影響から、米国の成長が妨げられるとの見方を背景に、米景気刺激策が当面継続するとの期待感がドルの上値を重くした。ドル円は97.81円まで下落し、ユーロドルは1.3638ドルと10月3日以来の高値をつけた。また、中国の格付け会社 Dagong Global Credit Rating が、米国の信用格付けを「A」から「A-」に引き下げると発表したことも重しとなったもよう。このニュースに関しては、一部で格付け会社フィッチが引き下げると湾曲して伝わったことが、ドル安の流れを強めたようだったとの声も聞かれた。
ドル円は、米国の財政問題を通過したことに伴う材料出尽くし感から強まった円買いの流れが尾を引くなか、ドル安が強まったことで下落の勢いが加速。米長期金利が2.61%割れまで下げるなか、目先のサポートラインと見られた21日移動平均線を下回ると、98円の大台を割り込んで97.81円まで下落した。その後は、同水準付近で推移する日足一目均衡表・転換線が支持帯となり下げ渋ったものの、戻りも98円付近にとどめるなど上値は重かった。
一方で、ドルストレートは資源国通貨を中心に堅調。米国の緩和策継続との見方から、景気回復に伴う資源需要の増加が期待されて、資源国通貨は水準を上げた。豪ドル/ドルは0.9609ドルと6月17日以来の高値をつけた。また、NZドル/ドルは0.8479ドル、ドル/加ドルは1.0290加ドルまでドル安・資源国通貨高が進んだ。豪ドルやNZドルに関しては、豪州やNZの金融緩和が一段落しつつあるとの思いも下支えとなっているもよう。ポンドドルもしっかり。英9月小売売上高が前月比+0.6%と、市場予想+0.4%を大きく上回ったことがポンド上昇を後押し。ポンドドルは1.6097ドルまでレンジ上限を広げた。
クロス円は、まちまち。ドル円の下落と、他通貨がドルに対して上昇幅を広げたことに挟まれて明確な方向性は定まらなかった。ユーロ円は133円半ば、ポンド円は157円半ば、豪ドル円は94円近辺を中心としたレンジでの推移となった。