ロンドン市場 午前 強い英雇用統計でポンド買い、円相場はやや調整

2013年09月11日 20:00

ロンドン午前の為替市場は全般的に小動きだったなかでポンドが堅調だった。きっかけは本日発表された英雇用統計。8月の英雇用統計では、低下傾向にある英失業率が4.2%へ低下し、09年2月以来の低水準となった。英金融緩和策の基準値となっている国際労働機関(ILO)基準の失業率は0.1%低下し7.7%に。これは12年11月以来の低水準。英失業者数も10カ月連続で減少を続けている。ポンドドルは1.5827ドルまで上昇し、2月8日以来の高値圏へと上昇した。ポンド円も158.56円まで上振れ、年初来高値を更新。ただ、発表前から思惑的なポンド買いが入っていたため、利益確定の動きからポンドは伸び悩んでいる。
 円相場は利益確定の円買いが優勢だった。ロシアがシリアに対して化学兵器の国際管理案を提案した後は西側諸国による武力介入の可能性が低下しているが、シリアをめぐる緊迫感の後退による円売りに勢いはなくなってきており、本日は調整含みだった。ドル円は100.07円、ユーロ円は132.80円まで弱含み。米長期債利回りの低下もドル円を圧迫した。ただ、円の買い戻しを急ぐほどの手がかりもない。ドル円やクロス円の下値は底堅く、昨日からの高値圏を維持している。豪ドル円は93円前半、NZドル円は81円ちょうど前後で東京タイムからほぼ横ばい。
 ユーロドルは1.3243ドルまで下押す場面もあったが、上下ともに値動きは限定的。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、早々に値動きが失われつつある印象も受ける。米量的緩和の縮小規模に関してコンセンサスは固まっておらず、嵐の前に一時的な静けさが漂っているようだ。
 オセアニア通貨は対ドルで底堅く、豪ドル/ドルは0.93ドル前半でしっかり。NZドル/ドルは0.8080ドルまで水準を切り上げた。ただ、対ポンドのドル売りが波及した結果、ドル安に振れており主体性は薄い。