ロンドン市場 午前 円全面安、ドル円は1カ月ぶりの高値99円半ば

2013年09月02日 20:04

 ロンドンタイム午前は円が全面安。オバマ米大統領がシリアへの介入に議会の承認を求めるとの見解を示したことで、性急な軍事行動の開始が回避され、リスクオフの巻き戻しが強まったほか、中国PMIの底堅い結果が市場のセンチメントを改善させた。北米市場が休場になることで様子見姿勢が強まることも想定されたが、ドル円・クロス円はストップロスの買いを巻き込みながら大きく上値を伸ばした。資源国通貨を中心にドル売りも入ったが、ドルストレートの上昇幅はクロス円と比較すると控えめ。円売りが進んだ背景には、この日発表された4-6月期の本邦企業収益や設備投資が前期を大幅に上回ったことで、国内総生産の上方修正への期待が高まったことも背景にあったようだ。GDPの上方修正が消費増税の決定を後押しするとの見方が、海外勢を中心に円売り意欲を高めた。
 ドル円は98.60円前後のもみ合いを経て、上方向のテクニカル的な抵抗をこなしながら99.44円まで上昇。先月2日以来、1カ月ぶりの高値をつけた。ユーロ円は131.39円、豪ドル円は89.53円、NZドル円は77.74円、加ドル円は94.34円まで一段高。ポンド円は英8月製造業PMIの大幅な上振れを受けて154.94円まで高値を塗り替えた。
 主要な欧州株価指数が軒並み1%を超える上げ幅を記録したことや、クロス円の上昇も支えに豪ドル/ドルは0.9015ドル、NZドル/ドルは0.7830ドルまで買い進まれるなど資源国通貨の堅調地合いも目立った。また、ポンドドルは英PMIの発表後に1.5594ドルを示現。英製造業PMIはヘッドラインが2011年2月以来、内訳の新規受注指数と生産指数はともに1994年以来の高水準を示現。発表元のマークイットは、英7-9月期国内総生産が1%を超える伸びとなる可能性も示唆した。一方でユーロドルは1.33ドル前半で小幅な振幅。この日発表されたユーロ圏各国の製造業PMIでは、スペインや伊、ギリシャなどの高債務国で景況感の改善が目立ち、これが欧州株の上げ幅拡大にもつながっていたが、ユーロドルはポンドや資源国通貨の上昇が、ユーロクロスでのユーロ安にも波及しており伸び悩んだ。なお、ユーロ圏の同確報値は0.1ポイント上方修正され、独の確報値は0.1ポイント下方修正された。