ロンドン市場 午前 円が全面安、複数のテーマの方向感揃う

2013年09月10日 20:17

ロンドン午前の為替市場では、円が全面安となった。ロシアがシリアに対して化学兵器の廃棄を提案し西側諸国による武力行使が回避される可能性が浮上しているなか、軍事介入に積極的だった仏のファビウス外相が、シリアに対する廃棄要請の決議案を国連安保理に提出すると述べたことも警戒感を一段と後退させた。また、安倍首相が消費税増税を見据えた経済対策パッケージの取りまとめを指示し、リスク選好パターンの円売りが活気を帯びた。東京オリンピック開催決定で刺激された円売りムードがあらためて触発されている。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和(QE)縮小が実施されるとのコンセンサスがあることもドル円をサポート。欧州株式市場や大証日経平均先物は堅調に推移しており、米長期債利回りもやや上昇している。
 ドル円は100.19円まで上昇。100.20円付近から上値には売りオーダーが集まっているとの観測もあり、いったんは弾き返されたが、高値からの調整はわずか。ユーロ円は132.70円まで上昇し、5月以降の三角もち合い上限を上抜きつつある。ポンド円は157.38円まで円売りが進み、2009年8月以来の高値を更新。 加ドル円は96.68円、豪ドル円は92.98円、NZドル円は80.58円まで上昇。豪ドル円は7月9日以来、NZドル円は6月5日以来の高値となっている。
 ドルに対して欧州通貨は方向感がはっきりしない。ポンドドルは1.57ドル前後で東京タイムからほぼ横ばいだった。ユーロドルは1.3235ドルまで下押したものの、伊GDPの下方修正もそれほど悪材料視されておらず、円売りが活気づいているなかで存在感は薄かった。豪ドル/ドルやNZドル/ドルは、堅調な中国経済指標の発表後に押し戻される場面もあったが下値は限定的。豪ドル/ドルは0.92ドル後半、NZドル/ドルは0.80ドル前半で推移。