ロンドン市場 午前 中東情勢に市場は神経質、高値警戒も背景に円安緩む
ロンドンタイム午前、ドル円は中東情勢に関連した報道が錯綜するなかで調整の動きを強め、一時99.17円まで下落する場面があった。ロシアの複数の通信社が、2基のミサイルらしき「物体」が地中海中央から東地中海に向けて発射されたことをレーダーが捉えたと報じたことで、欧州株や日経先物が下げ幅を広げるなどリスク回避の動きが金融市場全般でみられた。ユーロ円は130.65円、豪ドル円は89.13円、NZドル円は77.41円、加ドル円は94.07円まで下落。ポンド円も強い英経済指標を好感してつけた155.51円の高値から1円近く値を削った。露大統領報道官がコメントを控えた一方で、仏やイスラエルの軍関係者からはミサイル発射は確認されなかったとの発言が聞かれるなど情報が交錯した。その後、ロシア側が発射された物体は海に落下したと報じたことで、不測の事態が回避されたとの見方からドル円・クロス円には買い戻しが入った。結局、現段階では真偽のほどは不明で不透明感が残る状態。シリア国内のガスパイプラインがテロによって爆破されたとも伝わり、結果として高値警戒感も背景に円安地合いが緩む格好となった。
一方でドルストレートはまちまち。ユーロドルは序盤から重さを感じさせる動きを続け、7月22日以来の安値となる1.3161ドルまで安値を塗り替えた。一方でポンドドルは前日高値を上回って1.5610ドルまで上昇した。この日発表された英建設業PMIが、2007年9月以来の水準まで改善していたことを好感。期待先行で発表前からポンドには買いが集まっていたが、良好な結果を受けて一段高となった。豪ドル/ドルは0.90ドル前半で伸び悩み、NZドル/ドルは0.7803ドルまで水準を下げた