ロンドン市場 午前 ドル円は98円台回復、全般的にドル高基調

2013年08月29日 20:19

 ロンドンタイム午前、ドル買い基調に。シリア情勢については、現地入りしている国連の査察団がシリアを31日に出国すると国連事務総長から改めて述べられ、それまでは軍事介入といった新たな進展はなさそうで、緊迫していた市場のムードは後退。リスク回避の円買いといった動きはみられなかった。そのほか、独8月失業者数並びに同失業率が発表され、前者については予想外の失業者増となったもののこちらも材料視はされず。市場関係者の一部からは「シリア情勢が落ち着くと、米量的緩和(QE)縮小に再び注目が集まる」との声も聞かれるなかで、本日についてはシリア情勢がいったん落ち着く一方、この後NYタイムには米4-6月期GDP・改定値や新規失業保険申請件数といった米国の重要指標が控えていることから、徐々に様子見ムードが醸成されることとなった。
 欧州勢の参入後から本格的に動意づくとドル円は上昇、ドルストレートは下落。ドル円は厚めの売りをこなしストップロスの買いを巻き込みながら98.27円まで上昇した。みずほ証券・投資情報部 チーフFXストラテジスト 鈴木健吾氏は「日足一目均衡表・基準線をこなしストップをつけた」との見解を示していた。またドルストレートは、ユーロドルは1.3243ドルまで下落したほか、ポンドドルは1.5497ドルまでドル買い・他通貨売りが進んだ。資源国通貨は、豪ドル/ドルは0.8921ドル、NZドル/ドルは0.7768ドルまで下落するなど東京タイムの上昇から一転して反落することとなった。
 クロス円は買い一巡後はもみ合い。ドル円の上昇に連れ高で、ポンド円は152.42円、豪ドル円は87.99円、NZドル円は76.75円まで買い進まれた。その後、ドル円の上昇が一巡し横ばいに転じると、対ドルでの下落につれて反落することとなり、明確な方向感には乏しかった。